HIV感染症で障害年金を請求する場合のポイント

文責:所長 弁護士 堤信一郎

最終更新日:2025年06月05日

1 HIV感染症と障害年金

 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症による障害は、障害年金の対象となります。

 こちらの記事では、HIV感染症で障害年金を申請するにあたっての注意点を説明します。

2 初診日

 障害年金を申請するためには、HIV感染症に関する症状について、医療機関を受診している必要があります。

 初診日は、HIV感染症に関する症状で初めて受診した日のことですが、「HIV感染症と診断された日」ではないことに注意が必要です。

 最初に受診した医療機関では病名が分からなかったため、紹介された総合病院で精密検査を受けた結果HIV感染症と判明した場合、初診日は、最初の医療機関を受診した日になります。

 最初の医療機関のカルテが破棄されていたり、閉院していたりしたような場合、初診日の証明が難しくなることがあります。

3 HIV感染症の認定基準

⑴ HIV感染症には障害認定基準が定められています

 HIV感染症については、「ヒト免疫不全ウイルス感染症に係る障害認定について(平成10年2月4日庁保険発第1号)」及び「ヒト免疫不全ウイルス感染症に係る障害認定における留意事項の追加について(平成23年1月31日年管管発131001号)」により、障害認定基準が定められています。

 

⑵ 障害年金の対象となるHIV感染症

 障害認定の対象となる障害は、以下のとおりです。

 ・ヒト免疫不全ウイルス感染症とその続発症による労働及び日常生活上の障害

 ・副作用等治療の結果として起こる労働及び日常生活上の障害

 

⑶ 障害年金の認定は総合的に判断されます

 障害年金の認定は、続発症(ヒト免疫不全ウイルス消耗症候群、日和見感染症等)の有無及びその程度及びCD4値等の免疫機能の低下の状態を含む検査所見、治療及び症状の経過を十分考慮し、労働及び日常生活上の障害を総合的に認定することとされています。

 検査所見としては、①CD4陽性リンパ球数、②白血球数、③ヘモグロビン量、④血小板数、⑤HIV-RNA量が基準値に達しているかどうか、身体症状等としては、1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労感が月に7日以上ある、病態の進行のため、健常児に比し10%以上の体重減少がある等の基準があり、検査所見や身体症状等をどの程度満たすかによって、1級~3級の判断がなされます。

4 HIV感染症で障害年金を申請するなら専門家に相談ください

 HIV感染症による障害認定基準は複雑であり、ご本人では判断が難しいところがございます。

 このため、障害年金に詳しい専門家に相談する必要がございます。

 私たちは蒲田に事務所を置き、障害年金のご相談・ご依頼を承っています。

 蒲田の周辺でHIV感染症の障害年金申請をお考えの方は、私たちまでお気軽にお問い合わせください。

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